- 「九里よりうまい13里」という江戸時代のキャッチコピーの心は、
栗よりうまい
ということです。 - 何が栗よりうまいかといえば、13里です。
13里とは、川越、つまり川越いものことです。
江戸から川越までは13里(52キロ)あります。
川越イモは栗より甘くてホクホクしてうまいですよ、という意味です。 - また9里+4里(より)=13里 との かけことば にもなっています。
- 川越イモは江戸のファストフードでした。
サツマイモは、新河岸川(しんがしがわ)を通り江戸へ下っていきました。 - 帰りの船には石焼きイモの屋台で出た灰や、糞尿のような肥料が積まれていました。
環境にやさしい資源のリサイクルがおこなわれていました。
「「9里よりうまい13里」って?
川越はダイナポリスの模範生
- ダイナポリスとは、中心部が移動する都市のことです。
マチナカ(中心市街地)は、まちが維持発展するために、古いものを一部残しつつ、新しい時代に即応するため移動することが必要です。
健全な都市の成長のためには、都心の移動が健全な都市の成長の姿です。 - ヨーロッパの都市では、ダイナポリス的動きをしており、歴史的中心が比較的よく保存されています。
しかし、日本の都市は、京都に見られるように歴史的中心と今日的都心とが重なり合う方向をとっています。
したがって新しい居住者の受け入れができなくなっています。 - 例外は川越市です。
江戸、明治、大正、昭和、平成とマチナカが移動しています。
ダイナポリス川越は、他の自治体の地域振興の参考になります。
歴史の勉強にも最適です。
川越を半日歩くだけで、江戸、明治、大正、昭和、平成の表情を垣間見ることができ、中高校生には歴史のいい勉強になります。 - 川越のマチナカを代表する場所は以下です。
江戸のマチ 喜多町
明治のマチ 一番街(蔵造りの町並み)
大正のマチ 大正浪漫通り
昭和のマチ 新富町 クレアモール
平成のマチ 川越駅前
平成の次のマチ 川越駅西口 - 健脚者用のダイナポリス周遊ルート例には、以下が考えられます。
川越の観光ルートにはこういった回遊性が必要です。
川越駅→川越城(江戸時代)→ 喜多院(江戸時代)→ 蔵造りの街並み(明治時 代)→ 大正浪漫通り(大正時代)→ クレアモール(昭和時代)→ 川越駅周辺(平 成時代)
川越で生まれた3代家光
- 2004年は、家光が川越で生まれて400年目にあたりました。
喜多院を中心に生誕400年記念事業が盛大にいとなまれました。
三代将軍 家光(1604-1651)は幕藩体制の完成者です。 - 喜多院には家光を育てた「春日局 (かすがのつぼね)化粧の間」があります。春日局は家光の乳母 (めのと)で、家光を将軍に押し立てた立役者です。
- 喜多院
- 家光公生誕400年記念事業
- 徳川家光 ウィキペディア
- 春日局(かすがのつぼね) ウィキペディア
- 春日局 【画像】
- 川越めぐり/本丸御殿/喜多院/三芳野神社
- 義経、伊勢物語、太田道灌、江戸城、家光などを通して歴史を実感できる学生諸君はしあわせです。北海道出身のある人が言っていました。
「藩、武士、寺、城とかが、北海道では遠い宇宙の出来ごとのようで、どうしても歴史が好きになれませんでした」
川越だけに残る江戸城の御殿
- 江戸城は火災で丸焼けとなり、遺構は何一つ残っていません。
- しかし、川越の喜多院には家光の誕生した部屋や春日局(かすがのつぼね)の部屋などが残っています。
- 1599年、家康のブレーンであった天海が喜多院の住職となりました。
1611年、家康は川越を訪れ天海に面会しています。
天海は喜多院を関東天台宗の本山にしました。
2代秀忠、3代家光にも仕えました。
上野に寛永寺を創建しました。 - 家康の死去にあたって、棺(ひつぎ)は静岡の駿府から、わざわざ喜多院に立ち寄り、日光に埋葬されました。
- 1638年、川越大火により喜多院は全焼しました。
家康、天海を崇敬していた家光は、ただちに喜多院を再建しました。
そのとき、自分の生まれた部屋や乳母(うば)の春日局の部屋などを移築しました。
いまに残る唯一の江戸城の形見となっています。 - 喜多院
- 喜多院 ウィキペディア
芸能テコに人呼び込む全国の商店街
- 大型店との競争が激化している商店街では、集客の目玉として、生の実演を楽しむ大衆演劇や落語を核とした商店街の活性化が盛んになってきています。
- 大阪市の天神橋筋商店街は、落語の寄席「天満天神繁盛亭」の開業(2006年)で人通りが増えています。 経済波及効果は、116億円にのぼります。
- 新潟市の大衆演劇場「新潟古町演芸場」(2005年開業)は商店街に活気をもたらしています。
- 和歌山市の「紀の国ぶらくり劇場」、奈良県大和高田市の「弁天座」、高松市の「大衆劇場仏生山 (ぶっしょうざん)」、横浜市の大衆芸能ホール「横浜にぎわい座」 も同様です。
- 【cf.】日本経済新聞2008年1月21日
大衆演劇のメッカ「湯遊ランド 」
- 高齢化の影響で、庶民的な芸能が再認識され、大衆演劇や落語などの施設が全国で相次いで誕生しています。
たとえば、奈良県大和高田市の「弁天座」、高松市の「大衆劇場仏生山」、大阪市天王寺区「雀(すずめ)のおやど」、奈良市奈良町の「落語ふぇすてぃばる」、大阪府池田市の「落語ミュージアム」などです。 - 川越市の「湯遊ランド」では、股旅ものの踊り、女装した役者の日本舞踊、歌謡ショーなどを365日催しており、熱心な大衆演劇ファンを引きつけています。
- 「能など古典芸能と比べて敷居が低く、低料金でだれでも気軽に楽しめるのが大衆芸能の魅力。団塊世代の大量退職で、今後はファンの増加が見込める」と読売新聞は報じています(2006年06月08日)。
- 湯遊ランドは、川越駅のクレアモールの先にあります。クレアモールは1200メートルあり、埼玉一長く盛んな繁華街です。
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